こんにちは、トレーダーの皆さん!今日はMetaTrader 5で使用できる「リングバッファ」を使ったトリプル指数移動平均(TEMA)の計算方法についてお話しします。
概要
CTEMAOnRingBufferクラスは、リングバッファのアルゴリズムを使ってTEMAを計算するために設計されています。詳細な説明はこちらをご覧ください。
クラスの宣言
class CTEMAOnRingBuffer : public CArrayRing
必要なファイル
CTEMAOnRingBuffer.mqhファイルは、MQL5\Include\IncOnRingBufferフォルダに配置する必要があります。このフォルダには、使用するクラスの例を含む2つのファイルも添付されています。また、リングバッファに必要なリングバッファ、DEMA、および移動平均のファイルも同じフォルダに配置してください。
クラスメソッド
//--- 初期化メソッド: bool Init(int period = 12, // TEMAの期間 ENUM_MA_METHOD method = MODE_EMA, // 平滑化の方法 int size_buffer = 256, // リングバッファのサイズ bool as_series = false); // 時系列の場合はtrue
//--- 時系列またはインジケータバッファに基づく計算メソッド: int MainOnArray(const int rates_total, // 配列のサイズ const int prev_calculated, // 前回処理された要素 const double& price[]); // 計算用の配列
//--- 配列の個別要素に基づく計算メソッド: double MainOnValue(const int rates_total, const int prev_calculated, const int begin, const double value, const int index);
データへのアクセスメソッド
//--- データへのアクセスメソッド: int BarsRequired(); // インジケータ描画に必要なバーの数を返す string Name(); // インジケータ名を返す int Period(); // 期間を返す int Size(); // リングバッファのサイズを返す double MA(int index); // 移動平均値を返す double DEMA(int index); // DEMA値を返す
リングバッファから計算されたインジケータのデータは、通常の配列から取得することができます。以下のコードを参考にしてください。
//--- TEMAインジケータの計算メソッド: #include <IncOnRingBuffer\CTEMAOnRingBuffer.mqh> CTEMAOnRingBuffer tema;
//+------------------------------------------------------------------+ //| カスタムインジケータのイテレーション関数 | //+------------------------------------------------------------------+ int OnCalculate(const int rates_total, // 配列のサイズ const int prev_calculated, // 前回処理されたバー const int begin, // 重要なデータの開始位置 const double& price[]) { // 計算用配列 tema.MainOnArray(rates_total, prev_calculated, price);
サンプルコードの例
- Test_TEMA_OnArrayRB.mq5ファイルでは価格の時系列に基づいてインジケータを計算します。MainOnArray()メソッドの使用例が示されています。
- Test_TEMA_OnValueRB.mq5では、MainOnValue()メソッドの使用方法が示されています。最初にTEMAインジケータが計算され、描画された後、このインジケータのリングバッファに基づいてさらに別のTEMAが描画されます。

Test_TEMA_OnArrayRB.mq5の作業結果(リングバッファサイズ:256要素)

Test_TEMA_OnValueRB.mq5の作業結果(リングバッファサイズ:256要素)
このコードの作成には、MetaQuotes Software Corp.、Integer、およびGODZILLAの開発が使用されました。