第1部. MQL5と開発環境の紹介
この本の第1部は、「MQL5と開発環境の紹介」というタイトルで、MQL5言語とその開発環境の基本を解説しています。
MQL5とMQL4(MetaTrader 4の言語)との違いの一つは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)のサポートです。これはC++に似ており、プログラミングに不慣れなユーザーには少し難しく感じるかもしれませんが、OOPの機能を理解することで、より柔軟なプログラム作成が可能になります。
この本の目的は、MQL5のアプローチを分かりやすくし、誰でもアクセスできるようにすることです。MQL5リファレンスの補足として、プログラミングのあらゆる側面を詳しく説明しています。開発者はオブジェクト指向スタイルと手続き型スタイルを選択・組み合わせることができます。

すでにプログラミング経験がある方は、基本を飛ばしても構いません。C++のプログラマーにとってはMQL5が習得しやすいですが、言語の違いに注意することが重要です。
MQL5を使用すると、データを視覚的に表示するインジケーターや、取引を自動化するエキスパートアドバイザー、単発のアクション用スクリプト、バックグラウンドタスク用のサービスなど、さまざまなプログラムを作成できます。
MetaTrader 5の特徴は、クライアント端末から全ての取引システムを管理できる点です。MQL5プログラムはここで実行され、取引サーバーに取引コマンドを送ります。MQL5アプリケーションはサーバーにインストールされません。
第1部では、プログラムの編集、コンパイル、実行方法や、さまざまなデータ型、変数、式、配列、デバッグ、出力について説明します。