フラクタルインジケーターの概要
フラクタルインジケーターは、MetaTrader 4(MT4)やMetaTrader 5(MT5)に搭載されている非常に便利なツールです。このインジケーターは、キャンドルの高値や安値を隣接するキャンドルと比較することで、ローカルエクストリーム(局所の極値)を特定するために使われます。これによって、トレーダーは上昇フラクタルや下降フラクタルを見つけることができます。この用語は、著名なトレーダーであるビル・ウィリアムズによって名付けられました。
インジケーターのインストール方法
MT4を起動し、メニューバーから「ファイル」→「データフォルダーを開く」を選択します。次に、Fractal-Utilities.mqhをMQL4\Includeフォルダーに、Fractal-STF.mq4とFractal-MTF.mq4をMQL4\Indicatorsフォルダーにコピーします。最後に、Fractal-STF.mq4とFractal-MTF.mq4をMetaEditorでコンパイルして、Fractal-STF.ex4とFractal-MTF.ex4を生成します。これで、MT4のターミナル内でフラクタルインジケーターを使用できるようになります。注意点として、両方のファイルを同じディレクトリに配置する必要があります。たとえば、MQL4\Indicators\Developedなどのサブディレクトリを使用できます。
フラクタルの用語について
STFは「シングルタイムフレーム」の略で、MTFは「マルチタイムフレーム」の略です。つまり、フラクタルSTFは単一の時間軸で計算されるインジケーターであり、フラクタルMTFは複数の時間軸を使用します。このため、フラクタルSTFはフラクタルMTFよりも計算が少なく、少しだけ速く動作します。特に時間足を切り替えるときにその違いを感じることができるでしょう。
フラクタルインジケーターの利点
このインジケーターには、MT4/MT5の標準フラクタルインジケーターにはないいくつかの利点があります:
- フラクタルの半径の設定:ウィリアムズは、フラクタルの比較半径を「2」とするのが一般的だと考えていましたが、このインジケーターではユーザーが自由に設定できます。これにより、異なる度合いのエクストリームを同時に識別できる利点があります。
- シンボルのカスタマイズ:エクストリームを示すシンボルの形を選択できるため、視覚的に分かりやすくなります。
- 矢印の距離調整:キャンドルの高値や安値からの矢印の垂直距離を調整でき、異なる度合いのエクストリームが重ならないようにできます。
- マルチタイムフレーム機能:より高い時間フレームのフラクタルを低い時間フレームで表示できるため、MTFインジケーターとしても機能します。例えば、D1の時間フレームを設定し、半径を2に設定してからM15に切り替えると、M15のバーがD1のフラクタルと一致する高値や安値を示します。
まとめ
フラクタルインジケーターは、トレードにおいて非常に有用なツールです。ぜひ活用して、より精度の高いトレードを実現しましょう!

図1: フラクタルの例(半径2と5)

図2: フラクタルMTFの入力設定