ボリンジャーバンド（BB）は、エンベロープと似たような指標ですが、主な違いはエンベロープが移動平均から固定の距離（%）で描かれるのに対し、ボリンジャーバンドは移動平均から一定の標準偏差の距離で描かれる点です。
標準偏差は価格のボラティリティを測る指標であり、ボリンジャーバンドは市場の状況に応じて自動的に調整されます。市場がよりボラティリティが高くなると、バンドは広がり、ボラティリティが低い期間には収束します。
ボリンジャーバンド（BB）
ボリンジャーバンドは通常、価格チャートに描かれますが、指標チャートにも追加することが可能です。エンベロープと同様に、ボリンジャーバンドの解釈は、価格がバンドの上限と下限の間に留まる傾向があるという事実に基づいています。ボリンジャーバンドの特徴的な点は、価格のボラティリティに応じて幅が変動することです。価格の変動が大きい（高ボラティリティ）期間には、バンドが広がり、価格が動く余地が大きくなります。一方、価格が安定している（低ボラティリティ）期間には、バンドが収束し、価格をその範囲内に留めることになります。
ボリンジャーバンドの具体的な特性は以下の通りです：
- バンドが収束した後、価格が急激に変動する傾向がある。
- 価格が上部バンドを突破した場合、現在のトレンドが継続することが期待される。
- バンドの外でのピークや谷が、バンド内でのピークや谷に続く場合、トレンドの反転が起こる可能性がある。
- 一方のバンドラインから始まった価格の動きは、通常、反対側のバンドラインに達する。
最後の観察は、価格の目安を予測するのに役立ちます。
計算方法
ボリンジャーバンドは、3本のラインで構成されています。中央のライン（ML）は通常の移動平均です。
ML = SUM (CLOSE, N) / N = SMA (CLOSE, N)
上部ライン（TL）は、中央のラインから一定の標準偏差（D）だけ上にシフトしたものです。
TL = ML + (D * StdDev)
下部ライン（BL）は、中央のラインから同じ数の標準偏差だけ下にシフトしたものです。
BL = ML - (D * StdDev)
StdDev = SQRT (SUM ((CLOSE - SMA (CLOSE, N))^2, N) / N)
ここで：
- SUM (..., N) — N期間の合計；
- CLOSE — 終値；
- N — 計算に使用する期間の数；
- SMA — 単純移動平均；
- SQRT — 平方根；
- StdDev — 標準偏差。
20期間の単純移動平均を中央のラインとして使用し、上部と下部のラインはそれから2標準偏差離して描くことをお勧めします。また、10期間未満の移動平均はあまり効果がありません。
テクニカル指標の説明
ボリンジャーバンドの詳細な説明は、テクニカル分析：ボリンジャーバンドのセクションで確認できます。